山田久美女流三段インタビュー

今月の近代将棋で、一番興味を引いた記事がこれでした。久美さんの個人的な話題よりも、連盟に残留した理由や説明が主になっていて、なかなか面白かったですね。

ちなみに、久美さんは、独立自体は賛成で、実際にも賛成票に投じたそうですが、


山田女流三段:「自立」という気持ちは前々から持っていたので、独立の話が具体化し始めたときは賛成しました。ただ、自立と違って独立は生半可な気持ちではできません。完璧な独立は2年も3年も先の話で、最初は連盟傘下、のれん分けという感じだと受け止めていました。


独立の話題を藤森さんか中井さんかが総会で出したんだろうと思いますが、どういった形で独立話を切り出したのかが知らないので、なんとも言えないのですが・・・。


山田女流三段:(前略)でも、新法人を立ち上げる前に寄付金を募ったことで、「独立」の方向性が私の考えていたものとは違うな?と感じ、それが独立に躊躇し始めた原因です。


このことから、単に「独立」という言葉だけで、久美さんが勝手にイメージした感が拭えません。つまり、「独立に賛同するか否か」の決を取る際に、「独立とはどういうイメージなのか?」を、藤森さんなり中井さんに説明を求めてこなかった、と言えるのではないでしょうか。となると、独立に賛同をしておきながら、寄付金の話をきっかけとして、結果的に連盟に残留した説明責任が、山田久美女流三段にあるのではないでしょうか。私がこのインタビュー記事を読む限りでは、その説明責任を果たしているとは、思えません。


山田女流三段:(前略)そもそも独立する第一条件は、将棋連盟といい関係を保つこと。それがクリアできないのであれば、白紙に戻して時間をかけてもっと練ったらどうかと何度も言ったのですが。


「だれに」何度も言ったのか、が書いていないのですが、おそらく中井さんをはじめとする準備委員会に何度も言った、ということでしょうか。ただ、もうすでに証文の出し遅れになっているような感じもします。


インタビュアー:個人的に、今後、イベントなどに関して、新法人とはどうありたいですか?

山田女流三段:(前略)ファンの人たちに「違う団体になったのだ」ときちんとわかってもらうためにも、しばらくはいっしょにやってはダメだと思っています。


ファンからすれば、所属は違えど同じ女流棋士と見るでしょうから、団体が同じ違うは、あんまし関係ないような・・・。ただ、ファンクラブに関することは、この点では筋は通っているかなと。


山田女流三段:(前略)またちょっとしたことでも何かあると「理事の先生を呼んできます」では、女流棋士の本心がわからない。真反対の考えの人がいて当然ですが、周囲にすぐ頼りたくありません。自分の思い込みで誤解していることもあるわけで女流棋士間の問題は自分たちで考え、話し合い解決をすることです。


一旦は賛同しておきながら、考えが違うからといって、反対してしまう人たちで「話し合いで解決」できるのかが、少し疑問ですが、今後の女流棋士会には、いろんな意味で注目していこうかと思っています。